2008年5月号


母の夢見る食卓像

大澤克美・容子 野村貿易シアトル支店

私達がシアトルで暮らすようになり、私にとって一番いいなと思ったことは、家族皆で夕食を囲めること。日本では、皆がそろうのは週末のみ。平日は、日本のほとんどの家庭がそうであるように、我が家も母と子のみの夕食だった。だから、家族5人でいろいろな話をしながらとる“楽しい優雅な夕食”をとても楽しみにしていた。

が、現実は……



ある晩1
長男: 「今日ね、○○なことがあったんだよ。」
長女: 「ねえ、この歌知ってる? 歌ってあげようか?」
次男: 「○○ってなあに?」
パパ、○○の説明をする
長女 : 「ねえ、聞いてる? まいが先(に話し始めた)だよ〜。ねえ〜」
次男 (攻撃的に): 「○○ってなあに!?」
パパ、今一度説明
長女: 「まいが先だよ!!!」
次男(さらに攻撃的に): 「わかんない! ○○ってなあに!?」
長男: 「もう! いいから!」(と、ややキレ気味に、一人黙々と食べる)
長女: 「まいが先だったよお〜!!!」
母はあまりのうるささにため息……

ある晩2
長男: 「パパ、問題出して」
パパ、長男に10歳レベルの問題を出す。子供達は皆で考えるが、もともと長男のレベルの問題なので、長男が答え無事終了。ここからが問題。
次男: 「次、ぼくの番」
長女: 「まいだよ〜」
パパ、次男に7歳レベルの問題を出す。
次男 : 「……(考え中)」
長女 : 「まいは〜」
長男 : 「僕、答えわかった」(10歳だからわかって当然。)
次男 : 「お兄ちゃん、こたえちゃダメぇ〜!!!」
長女 : 「まいのもんだいは〜!!!」
長男答えようとし、次男ぐずり始める……
母は、パパの問題(子供たちに問題出してと言われ、よくすぐ考えつくものだ) に感心しつつ、あまりの落ち着きのなさにため息……

どちらの場合も、あまりにひどいと最後に母の激怒が入ることは、言わずとも想像していただけることでしょう。

……と、渡米前の母の想像とはうらはらに、このようなにぎやか過ぎて落ち着きのない夕食を毎日繰り返してます。でもたまに、とっても可愛らしい子供ならではの発想のひと言があり、そんな時は家族皆で食卓が囲めるってやっぱりいいなあ〜と思うのでした。

<プロフィール>
大澤克美
野村貿易シアトル支店勤務
2004年7月シアトル赴任。マリナーズの優勝をナマで見たかったが、夢かなわずまもなく帰国。

特技;妻の肩揉み。結婚する時になぜか「毎日肩揉みする」と言ってしまったらしく(本人は記憶なし)、その後取り消しを言い出すことができず、特技となる。

妻:
容子

シアトルに来てから「フラワーアレンジメント」「ハーダンガー」などの趣味に目覚める。時には(週に6日くらい!?)家族をほったらかして没頭する。子供を叱り付けること、異様に心配すること、時に甘やかすことなど世の母親が持つ特性を漏れなく併せ持つ。
特技:子供達黙らせ光線(ウルトラマンのスペシウム光線のようなもの)

長男:
拓真、10歳

日本ではサッカー少年だったが、シアトルに来てから野球、バスケットボールに夢中。今年は日本に帰国すると話すと、「僕はまたシアトルに来るよ。将来マリナーズの選手になって!」と真顔で語る(その時はお父さんとお母さんも連れて来てね!)。現在はリトルリーグでプレー中。
特技:母親を怒らせること〜天性のものがあると思われる。


次男:
直生(なお)、7歳

マイペースで典型的な次男タイプ……、と親は思っていたが、実はかなりのお調子者らしい。現地校では“イエローカード”(先生の話中に注意散漫な生徒に出すカード)の常連。「今週はイエローカードもらわなかったよ〜」と喜ぶ姿が何とも無邪気。兄の影響か、野球に夢中。リトルリーグでプレー中。
特技:ぐずり。母親を怒らせる技も最近長男に迫る勢いで急成長中。


長女:
茉依(まい)、4歳

自分はもう「お姉ちゃん」だと言って譲らない。おままごとでは、お母さんとお姉ちゃん以外はやらず、決して赤ちゃん役にはならない。3人兄弟の中で一番の頑固者であることが最近判明。 特技:甘え。自分が悪くても「だってお兄ちゃんが……」のひと言で親を味方につける。



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