2008年7月号 



初めての単身赴任生活

中村雅之 米国日本通運株式会社 シアトル支店


光陰矢のごとし、早いもので単身赴任生活を始めて1年になろうとしています。海外勤務は過去にも何回か経験はありましたが、いずれも2、3ヵ月の設営期間を過ぎると家族が来てくれましたので、衣食住ほとんど不便無く日本と変わらない生活を送ることができました。

しかしながら今回ばかりは勝手が違い、子供の高校・大学受験の関係もあり、単身赴任生活を余儀なくされるっこととなりました。こんな小生の“初めての単身赴任生活”をご披露したいと思います。

単身赴任生活“さ・し・す・せ・そ”

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“さ”・・・酒

のっけから酒の話で恐縮です。実は小生お酒が非常に弱く、学生時代はコンパでの“イッキ飲み”が苦痛で大変な思いをしました。社会人になり営業を担当してから、先輩・上司に鍛えられ何とか人並みにお付き合いできる程度にはなりましたが、飲めるといってもこだわりがあるのではなく、ビール・日本酒・焼酎・ワイン等々、ご一緒する方に合わせ何となくいただくパターンがほとんどでした。ところが、ここシアトルに赴任し地ビール(ALE Beer)出合い、ついにこだわりに目覚めてしまいました。昨年6月、仕事でアラスカに出張した際、店主にせっかくアラスカに来たのだからと“Alaskan Amber”というビールを薦められひと口飲んだ途端今まで日本で飲んできた“キレ・コク“やいわゆるLightビールとは違う、何とも形容しがたい味わいに魅了され、以来機会あれば地ビールを愛飲するようになりました。スモークサーモンに地ビールがまたうまい! ぜひお試しあれ。

<ワンポイント: ALE はアルコール分6%とLagerよりも幾分度数が強いようです。飲み過ぎには要注意!>

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“し”・・・仕事

最初の米国勤務は1986年のロサンゼルスでした。そのころはPCの普及もまだまだでホームページやEメールなどの存在もなく、日本との通信手段はテレックスかファックス(しかも感熱紙)であったと記憶しております。現在若者の間では携帯電話やPCでチャットと言われる情報交換が行われているようですが、当時もテレックスで同じようなことをやっており、これがチャットの起源(少し大げさ)だったんじゃないかと勝手に思っております。夕刻になるとテレックスからのピ・ピ・ピと電子音で呼び出され、短縮された英語やローマ字でさまざまな照会依頼の受信があり、都度小生がつたない短縮英語で返事を打電しておりました。きっと単身赴任諸兄の中にも経験者がおありかと思います。世の中は変わり(正確には弊社も変わり)PCはひとり1台しかもセキュリティーの関係で個人毎にパスワード管理され、何にアクセスするにもパスワード、しかも短期でパスワードの変更を行うため、しまいには変更したパスワードを忘れ、社内情報ヘルプデスクに連絡を取り、PCを立ち上げてもらうこともしばしば。困ったものです。PCの普及により急速に情報量やスピードが増したことは事実でありその恩恵は大きなメリットとして仕事にも現れております。

しかし、やはり仕事は人と人とが互いに意見を交換し協力することで成り立っており、文明の利器であるPC to PCコミュニケーションにも限界があるように感じております。

<ワンポイント : ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)をFace to Face で行う事はお互いを知り理解を深める上でも有効であり、現在職場で励行しております。と言っている小生は社員にホウ・レン・ソウを英語で説明するのに苦戦中でありますが……>

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“す”・・・炊事

子供のころ、ボーイスカウトでカレーを作ったり、学生時代の野外活動で飯盒炊飯をしたりといった経験はありますが、どれも遊びの延長。毎日、しかも栄養バランスを考えて食事を作る経験など全くない小生にとって日々の炊事がいかに大変であるかを単身赴任生活を通し身を持って体験し、日本にいるカミサンへの感謝の気持ちと偉大さを痛感した次第です。自炊で苦労の日々を送っていたある日、娘が小職赴任の際にゲームソフトをプレゼントしてくれたことを思い出し早速取り出してみると、N社のお料理ナビなるソフトがあるではないですか!! その日を境に料理のレパートリーも増え、ゲーム感覚で炊事をしております。

「ジャガイモをむいてください」「できたよ」……。ゲーム機のコックと会話をしながら料理ができ上がるといった具合です。また、電子レンジを積極的に使用することで素材の養分を逃がさずいろいろな料理もできるんです。小生はもっぱらホウレンソウのお浸しや粉ふき芋などを電子レンジで“チン”しています。時間も短縮できますよ。

<One Point : 朝食は必ず取ることをオススメします。小生の朝食はアメリカンブレックファスト(トースト・バナナ・オレンジジュースまたはミルク+ヨーグルト)あるいは朝定(白米・味噌汁・納豆・味のり+たまご)の2種類をその日の気分で選び食べております。単調な生活にならないためにもちょっとした工夫が必要なようです。またバナナは人の体にとってはすでに消化済みの食べ物で20分ほどで体内に吸収されエネルギーになるようです。忙しい諸兄はぜひバナナ1本を通勤の車の中で食べてはどうでしょうか>

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“せ”・・・洗濯

こちらも炊事同様、カミサン任せであったため、単身生活開始早々に洗礼を受けました。ご想像は付くと思いますが、色物を一緒に洗ったために白いシャツに色が付いてしまったり、洗濯物を乾かすためにドライヤーを高熱で使用し、衣類の丈が縮んでしまったことです。お気に入りのシャツやコットンパンツも犠牲になり、早々に引退を強いられ、現在は洋服箪笥の奥で小さくなっております。

全自動の洗濯機に洗剤と汚れ物を入れスイッチを押せば、後は待つだけ。機械がきれいにしてくれるなんて思っていた小生への戒めかもしれません。ここでもカミサンの見えない苦労と工夫にただただ感謝した次第です。今ではコットンパンツ等は生渇き状態でドライヤーから出し、窓際の特設物干し場に干すなどして縮まないよう工夫しております。

<ワンポイント: 洗濯には液体石鹸を使用、ゴルフで汚れた靴下やズボンの裾へは原液を予め付けておくと汚れも落ちきれいになります。ドライヤーを使用するときは静電気防止の紙を入れると芳香作用もあり、でき上がりもバッチリです>

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“そ”・・・掃除

四角い部屋を丸く掃き……どこかで聞いた覚えがありませんか? どうせ単身赴任生活、部屋もそれ程汚れないし、週に1回程度、掃除機をさっと掛ければOK! なんて簡単に考えておりましたが……。

単身赴任の諸兄、ひとり暮らしの小さな部屋も不思議なもので生活をしていくといろいろなものが少しずつ増え、気が付くと書籍・雑誌・新聞・ミニコミ誌の類で結構占領されてはいませんか? 平日は帰宅時間の関係もあり夜間に大きな音の出る掃除機を掛ける訳にもいかず、掃除は週末に行うことにしていますが、実はこの掃除が毎回大掛かりになってしまうのです。不要な雑誌や新聞等を片付け掃除機を満遍なく掛け、これで終わる事ができないのです。TVや本棚のほこりや、シャワールーム・洗面台の鏡の汚れ等々、掃除機を掛けながらいろいろな場所の汚れに気が付いてしまい、結局大掃除をする羽目になっているのです。2、3時間掛けてきれいになった部屋は実に気持ちの良いものですが、なぜか1週間後には彼等に占領され……大掃除を! 汚さなければ大掃除をする必要もないのに、なぜか懲りない小生です。

<ワンポイント : 鏡やガラスは仕上げに新聞紙で磨くと驚くほどきれいになります。特に日経新聞はピカイチ!……資源の有効利用?>

これで小生の単身赴任生活“さ・し・す・せ・そ”はおしまいです。単身赴任2年目は今までの経験に新たな創意工夫と楽しさを加えバージョンアップし“楽しい単身赴任生活編”でまた投稿できるよう頑張って行きたいと思います。

おまけ:今年も野球の季節がやってきました。単身赴任の諸兄の中にもマリナーズファンの方がおられると思います。Daygameの日は早めに球場に入ると選手のサインがもらえるようです。移動日に当たるDaygameは観客数も少ないため、客寄せの意味もありサイン会を行っているようです。イチローがサインをしてくれるかどうかはわかりませんが…… おしまい。


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