私の趣味のひとつ、釣りに付いて書かせていただこうと思います。釣りには様々な種類がありますが、ルアーやフライなど疑似餌を使った釣りが好きです。フライフィッシングに興味を持ったのはある人がきっかけでした。その人は子供の頃 毎週楽しみに見ていた釣り番組「ザ・フィッシング」の西山キャスターです。西山さんはいつでも、どこでも、どんな魚が相手でも「ちょっとフライでも釣って見ましょう」と言って、おもむろにフライロッドを振り出したと思うや、見事に獲物を釣り上げてしまいます。釣りと言えば生き餌を付けるのが一般的で、フライフィッシング自体が珍しかった当時、それは釣り人の既存常識を覆すもので、見ていてとってもワクワクしました。同時期にテレビのタブーをどんどん破っていったビートたけしの痛快さにも似ていたかも知れません。釣っている時の笑顔が素敵な方でした。
学生になり、友人にビデオを借りて見た映画「リバー・ランズ・スルー・イット」はフライフィッシングへの憧れをより強くしました。モンタナの大自然の中でフライロッドを振るブラッド・ピットを見て、いつかあんな所でやってみたいと思いました。地元の釣具屋、スポーツ用品店ではフライのセットはなかなか売っておらず、あっても高級品でしたので、当時流行っていたメールオーダーでアメリカから初心者用の安価なフライセットを取り寄せました。
釣りに関する本では、小説家 開高 健の『フィッシュ・オン』『オーパ!』などの影響を受けました。濃厚、緻密な描写に即座に引き込まれ、鬱蒼としたアマゾン、氷雨にずぶ濡れのアラスカへ、読み出した瞬間から飛んで行けます。開高健は壽屋(現サントリー)のコピーライターだったそうですが、キャッチコピーを作る濃度、密度でエッセイや小説を執筆していたのではと感じます。これは気の遠くなるような組立作業です。書き出しに苦労していることも良くありますし、長い海外釣行から日本に帰る場面では毎度、仕事場へ戻ることを酷く、本当に酷く嫌っています。それだけ仕事に対し真剣で、厳しく自分を追い込んでいたのでは、完璧主義だったのではと想像します。
私は3年過ごしたシカゴから昨年5月にシアトルに来ました。昨年は商工会の釣りツアーに参加させていただき大漁に恵まれ、その後、念願だった川に遡上してくるサーモンを釣ることができました。蟹やグイダックも採って食べましたし、最近はイカの夜釣りもやって見ました。こんな恵まれた環境にいることが幸せ過ぎて信じられなくなります。私の釣りの幅は未だ非常に狭く、もっといろいろ経験して見たいので釣り好きな方、ぜひ誘ってください。