2008年11月号 




杉山信幸  三井物産株式会社
ここが変だよ日本!

シアトルから帰国して1年半。毎日満員電車に揺られて通勤し、帰りは居酒屋で一杯。もうすっかり日本のサラリーマンになってしまいました。あの思い出深いシアトルでの生活は、遠い世界のようです。しかし、この夏は、久しぶりに女房とシアトルに里帰りして皆さんとお会いでき、やっぱりシアトルの夏は最高!と懐かしんでいます。

日本に帰国してまず一番大変なのは、夏の暑さ。過ごしやすかったシアトルの夏と比べ蒸し暑く、40度近くにもなる日本の夏は、さすがに参ります。地球温暖化の影響で、40度を超える日もあり、近年ますます暑くなっています。下手をすれば、ゴルフで熱中症になる人もいます。汗ひとつかくことのないシアトルのゴルフが懐かしい。

ただし、クールビズがポピュラーになって、上着、ネクタイを着用しなくても良くなったのが唯一の救いです。くそ暑い中で上着、ネクタイを着用することは、苦痛以外の何ものでもありません。でもまだ3分の1くらいの人がネクタイをしていました(福田前総理もそうだった)。クールビズは省エネの国策であり、もっと環境にやさしくなれよと言いたくなります。

今回は、日本に7年振りに帰って来て、通勤電車で見かけたちょっとおかしいなと思ったことをお話しします。

まず車内で化粧をする女性が増えたこと。自分を化けるところを、皆に見せるなんてかつては考えられません。しかし大衆の面前でどうどうと化粧をしている姿は、こっけいと言うか不気味でさえあります。そういう人に限って、化け振りは大して変わらないのですが(だからできるのかな)。

次に、車内で飲食する人。ペットボトルはまあ許せますが、おにぎりやパンを頬張っている人がいました。一番驚いたのは、ある若い女性が電車の席に座ったとたん、おもむろにハンドバックからアイス最中を取り出して、食べ始めた時。これは世も末だと思いました。

3つ目は、車内でメールやインターネットを見ている人が多い。これも傍から見るとこっけいです。両手に持って、携帯電話を見ている姿は、聖徳太子のよう。

最後は、車内で肩やバッグが当たってもスイマセンと言わない人が多いこと。降りる際、黙って人を押し分けて出る人が結構多いです。結果朝からいい大人がけんかをしている姿も目撃しました。ひと言スイマセンが言えれば良いのにと思います。

満員で我慢しなければならないのも事実ですが、今の日本は、他人に無関心になっているような気がします。典型的な状況が、イヤホンで音楽を聴く人(そういう私も最近アイフォンを購入して、車内で音楽を聞いていますが)。自分の世界に没頭することは結構ですが、音漏れで周りに迷惑をかける人も多い。回りの人に無関心、無神経、傍若無人的な風潮が、日本の社会を悪くしているような気がします。そういう私も米国で生活している時、エレベーターを出る時は、Excuse meと言っていたし、少しでも体が触れればSorryと即座に言えたのに、日本では躊躇している自分がいます。

日本はかつて村社会と言われ、何も言わなくてもお互い理解できたし、必要以上に気を 遣っていた文化がありました。一方米国は、移民の国。お互い何も知らず、敵ではないよということで、挨拶、お詫びを口に出す文化であると思います。今の日本は、自分の周りだけ気を遣う。自分さえ良ければという風潮が強くなっており、欧米流の他人への気配り、思いやりが、より求められる社会になってきています。自戒の念も込めてこめてこれからは、躊躇せず、「おはようございます。失礼します。ごめんなさい」と言うようにしたいと思っています。取り留めのない話でしたが、近況も含め最近思うことを話させていただきました。それではまたシアトルに来た時はよろしくお願いします。お元気で。


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