日本からの出張者が来た際には自宅へ招待することにしております。お父さんは日本酒、ビール、ワインなどのストックの確認をします。シアトルでは日本酒や日本のビールは簡単に手に入るのに、焼酎だけはなかなか。場合によっては事情を説明して東京から頼んで持って来てもらいストックするようにしております。1本だけ残った焼酎を晩酌用に開ける時は、次の日本からの出張者のスケジュールを確認してから開ける習慣もつきました。招待する出張者の中にはそんな事情も説明しづらい会社の上層部の方もおります。そういう偉いお方に限って、何を飲まれますかと聞くと、「私は焼酎にするかな!」
自宅へ向かう途中、マーサーアイランドの手前で、「この橋は浮いているんですよ」「そうだったね、この前説明を受けた」。あ、この人2度目か! ホテルの部屋へ荷物を置きにご当人がエレベーターに乗ったのを確認してから家に慌てて電話。「確か魚しか食べない人だった!」「えー、今からメニュー変えるの?」
「今日が、シアトルで最後の晩となる!」。この言葉が朝から出ると、駐在員は何も出来なくても、何かをしなければと会議も上の空となるわけです。寿司屋も行った、カラオケも連れて行った。なにかニューヨークやロスの夜と同等なものをこの都の西北シアトルに期待しているのか? こうして年何回もイチローに会うことになる。
社内でも、仕事の担当地区の関係で北米派、欧州派に分かれます。欧州専門の出張者が北米に来た場合の決まった処方箋は、水とワインとなります。タップウォーターが飲めない欧州で、硬水になれ親しんだふりの御仁のために“エビアン”などの銘柄を売っている店に行くこと。料理によってフランス、イタリア、スペインとワインを決める習慣と言い張る御仁にワシントンのワインも話の種にと勧めること。勝手にしろー!
25歳の優秀な女子エンジニアのピック・アップの依頼を受けました。空港で電子工学のご専門顔をした眼鏡、ノーメーク、おかっぱ(自分の想像だけ)の女性を探しました。ツアー客の若い女性も多く、なかなか本人と思われる人が見つかりません。黒のパンツに腰に鎖(アクセサリー)を付け、茶髪がまばらな美人独禁法にふれそうな女性がなんと私に向かってつかつかと。「わ、私が雨宮です」。ご苦労様の決まり文句の後、「長旅で疲れたでしょう?」「エコノミークラスで来ましたので、なかなか……」「どうします。最初からホテルへ行きましょうか?」「えー、それっていきなりですね!」「はぁー!?」
例年になく、暑い日が続いていますから、日本と同じ服装でどうぞとメールを出した翌週は、決まって1週間は雨が続いて肌寒い。マリナーズ・ショップで暖かそうなフード付き、うちの支店に来た出張者だけでも少なくとも10枚以上は買っていった。
右折のウインカーを出しても、なかなか入れてくれないアメリカのお父さん。これで日本のお父さんは、何回となく目的のExitに出られず、次のExitで出たことか。日本からのご出張の常務様を昼食にお連れした際に、安全運転に気を付けた末にこれが起きました。今さら道を引き返すこともできない。澄ました顔をしながら、通り沿いのイタリアレストランに全てをかけました。あー今でもぞっとする。
さぁ〜って、次の出張者は誰だぁー!