今年の日本は冷夏と言われていましたが、研修の行われた9月初めは、夏真っ盛りといった蒸し暑さでした。初日、東京学芸大学国際教育センターに向かうバスの中は始業式へ向かう高校生の元気あふれる声で満ちていて、私にとってもこれから始まる研修への期待が高まるような気がしました。
今年度は、米国(シアトル、サンディエゴ、中部テネシー、ヒューストン)から4名、カナダ(バンクーバー、トロント)から2名、トルコ(イスタンブール)とインド(チェンナイ)から1名ずつの計8名が参加しました。自己紹介も兼ねての学校紹介では、それぞれの学校の特色や課題などが大変活発に話し合われ、たとえ場所や環境は違っていても補習学校として同じ問題や課題を抱えていることを実感しました。また、補習学校についてだけではなく、現地の教育についての話も大変興味深かったです。例えばインドでは、「個々の存在には意味がある」という存在の理由が教育の第一歩となり、「生きる目的は何だろう」と考えることから学習への興味につないでいるということです。とても心に残る話でした。
さて本研修では、「日本の教育の現状と課題」「帰国児童・生徒教育の新動向」「カウンセリング」「年少者の日本語教育」「学習評価」、そして「国語教育」の6つの講義を受けました。これらの講義を通し、帰国生を受け入れる日本の学校、補習学校、保護者、そして児童、生徒とそれぞれの立場に立って考えることができたのは、補習学校の教師として大変意義のあることだったと思います。また、日本語教育や国語教育、そして学習評価など、教育活動で実践できることも多く学ぶことができました。
学校訪問では、学芸大付属大泉小学校、板橋区立志村第6小学校、國際基督教大学高校(ICU)の3校を訪問しました。付属大泉小には少人数制の帰国生クラスがあり、児童がのびのびと活動している様子を見せていただきました。ICUでは、シアトル日本語補習学校出身の2人の生徒との懇談会がありました。2人の口から出た言葉は、補習学校は「大変だった」ではなく「大好きだった」でした。アメリカに居ながら日本の友達と集える補習学校という場が、かけがえのないものだったと聞き、大変嬉しく思いました。
今回の研修に参加し、補習学校という週に1日の学校が、日本の教育との架け橋としていかに大きな役目を果たしているのかを再認識しました。このような素晴らしい機会を与えていただいたことに感謝しています。自分が学んだことをシアトル日本語補習学校の先生方と共有し、役立てることができるよう努めて参りたいと思います。ありがとうございました。